今までミュンヘンの切符や電車について色々書いてきて、多くの方に読んで頂きましたが、細かく書きすぎて複数ページに分かれてしまい、ちょっと分かりにくかったかもしれません。
別の記事と内容が被っている部分もありますが、電車や切符について質問頂くことが多いので、観光で来られる方向けに必要な情報をまとめてみました。
ドイツ・ミュンヘンの鉄道の仕組みについて
まずはドイツ・ミュンヘンの鉄道・バスなど公共交通機関の仕組みについて整理してみたいと思います。
交通の種類
特急電車 | IC,ICEなど | DB |
---|---|---|
中距離列車 | REなど | |
近郊電車 | S-bahn | |
地下鉄 | U-bahn | MVG MVV |
トラム(路面電車) | Tram(Straßenbahn) | |
バス | Bus |
DB(Deutsche Bahn)はドイツ全土を結んでおり、S-bahn、 RE(RegionalExpress)、 RB(RegionalBahn)、 ICE(InterCityExpress)などを運行しています。
またミュンヘンならMVG、フランクフルトならRMVというように、U-Bahnやトラム・バスを運行している会社は地域ごとにあります。なので、地域によって電車や切符のシステムが異なるところもあります。
ミュンヘンの鉄道を管理しているのはこの2つの会社。
- MVG(Münchner Verkehrsgesellschaft)
- MVV(Münchner Verkehrs- und Tarifverbund)
駅などではMVVやMVGのロゴを多く見かけると思います。
二つの会社の違いはよくわからないのですが・・・、MVGがミュンヘン市内の地下鉄やバスなどを運行していて、MVVはミュンヘンとその周辺都市のチケット・運賃などを管理している会社のようです。
切符はDBもMVVも共通ですので、DBの券売機で買った切符でS-bahnからU-bahnにそのまま乗り換えることもできます。
ゾーン制、料金エリア名について
MVVの管理するミュンヘンと近郊の電車やバスはZONE(ゾーン)制となっていて、乗るZONE数で料金が決まります。白、緑、黄色、ピンクと全部で4つのZONEがあり、同じゾーン数なら5駅先まで乗っても10駅先まで乗っても料金は一緒。
ミュンヘンの中心部、旧市街や中央駅は白色の部分に入っていますのでこの範囲を移動するなら1ZONEのチケットを買えばOK。空港はピンクの範囲にありますので、中央駅から空港に行く場合は4ZONEのチケットを買うことになります。
料金エリア名
- Innenraum(内側エリア) = 白
- Außenraum(外側エリア) = 緑+黄+赤
- München XXL =白+緑
- Gesamtnetz = 全ゾーン
色分けしたエリアとそれを組み合わせたエリアに上の様な名前がついていて、一日券を買う時にはこの区域のものを買うことになります。
つまり一回券は「ZONE数」、一日券は「エリア名」で買うことになります。
路線図をダウンロード
Netzpläne(MVV)…こちらで路線図のPDFがダウンロードて便利。
どこまでがInnenraumなのか等もわかります。何種類もあるのですが、2番目の「Schnellbahn u. Regionalzugnetz(全エリアのS-bahn、U-bahn+中距離列車)」と4番目「Innenraumnetz München(InnenraumのS-Bahn、U-Bahn、Tram、MetroBus)」が便利かと思います。
切符の種類
それでは、実際どんな切符があるのか見ていきたいと思います。
これがミュンヘンの電車やバスのチケットです。
左から一回券、一日券、短区間券で、デザインが違うのは買った券売機が違うからです。券売機については下で紹介しています。
Einzelfahrkarte(一回券)
金額 | Geldkarte | |
---|---|---|
1 Zone | 2.60EUR | 2.50EUR |
2 Zone | 5.20EUR | 5.00EUR |
3 Zone | 7.80EUR | 7.50EUR |
4 Zone 以上 | 10.40EUR | 10.00EUR |
片道一回分のチケット。1ZONEは3時間以内、2ZONE以上は4時間以内で有効です。往復したり、逆方向へ戻ったりはできません。Geldkarteで買うと少し安くなります。
Kurzstrecke(短区間)
- 4駅分まで(内、U-bahnとS-bahnは2駅まで)
- 1.30EUR(GeldKarte:1.25EUR)
- Streifenkarteなら1回分
短距離だったら安く乗れるというチケットです。
1時間以内で、最高で4駅まで乗れます。ただし4駅のうちU-bahnとS-bahnは2駅までしか乗れません。乗換えしても大丈夫です。ZONEをまたぐのもOK。
Tageskarte(一日券)
乗車可能エリア | Single-Tageskarte (1人) |
Partner-Targeskarte (5人まで) |
---|---|---|
Innenraum | 5.80EUR | 10.60EUR |
Außenraum | 5.80EUR | 10.60EUR |
München XXL | 7.80EUR | 13.60EUR |
Gesamtnetz | 11.20EUR | 20.40EUR |
3-Tage Innenraum (3日分) |
14.30EUR | 24.60EUR |
1日3回以上電車に乗るならこれ。
何回も切符買わなくていいし、観光などの時は一日券が便利です。
CityTourCard(シティーツアーカード)
Single-Tageskarte | Partner-Targeskarte | |
---|---|---|
Innenraum 1日券 | 9.90EUR | 17.90EUR |
Innenraum 3日券 | 20.90EUR | 30.90EUR |
Gesamtnetz 3日券 | 32.90EUR | 53.90EUR |
まだ使ったことはないのですが、電車の1日券に、ミュージアムなどの入場割引券がついたカード。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
http://www.citytourcard-muenchen.com(独・英・伊)
切符を何回も買わなくていいし、3回乗ればお得になるので、観光には一日券が便利だと思います。
回数券や定期券については別で紹介しています。
→【ミュンヘン】電車・バス・トラムのチケットの種類
バイエルン州の普通列車(2等車)が乗り放題になるバイエルンチケットについては下記にて紹介しています。
→【ミュンヘン】バイエルンチケットの券売機での購入方法
券売機・買い方
切符の種類が分かったところで、券売機について紹介したいと思います。
ミュンヘンの駅や停留所にある券売機は私が知る限り5種類あります。
上の写真左から、Zeitkartenautmat(定期券用)、ミュンヘン近郊電車用(ボタン式、ミュンヘン近郊電車用(タッチパネル式)、DBの券売機(右の写真)、トラム・バス車内の券売機(写真準備中)。
MVV管轄のU-bahnやトラムの駅には左の写真のような青っぽい発券機、S-bahnや中距離列車が停まる駅などにはDBの赤い券売機が置いてあります。(写真はミュンヘンのものではないですが、同じようなデザインです)
写真はありませんがバスやトラムの車内にも券売機があります。券売機のないバスは運転手さんから買います。
DBの赤い券売機は買えるチケットの種類が多く難しく感じるかもしれませんが、どの機械も操作自体は難しいものではありません。どの切符を買うかということが分かっていれば簡単だと思います。
一回券や一日券を買うのにおすすめは青のタッチパネル式券売機です。なんとこれは日本語も使えます!
それぞれの券売機の特徴や使い方などについては下記をご覧ください。
【ミュンヘン】電車・バス・トラムのチケットの買い方
電車の乗り方
無事に切符が買えたところで、次は電車に乗る時の注意点などについて紹介したいと思います。
Die Entwertung(打刻/刻印)
ドイツと日本で大きく違うところは改札口がなく、電車に乗るのに切符をチェックされないということです。
ただしミュンヘンには切符に乗車時の日時を打刻する「Entwertung」というルールがあり、ホームの入り口に右の用な機械が設置されています。これが日本の改札口に相当するもので、ここから先は切符を持っていないと入場してはいけないことになっています。
U-bahn、S-bahnは駅構内のホームに入るところ(ホームにあることも)、バスやトラムは車内にあります。これを忘れてしまうとチケットを持っていてもSchwarzfahren(不正乗車)扱いになってしまいますのでご注意ください。
打刻する切符、しない切符
実はすべての切符に打刻しなくてはならないという訳ではなく、買う券売機や買い方、チケットの種類によって打刻しなくてはいけないもの・しなくてもよいものがあります。
ややこしく感じてしまうかもしれませんが、要は有効日が入っているかいないかです。
例えば、打刻しなくてはならないのは左の写真のようなチケット。
これは青い券売機で買った切符です。写真は打刻済みですが、買った時には上の部分が空欄で「Hier Entwerten」(ここに打刻する)と書いてあり、日付が入っていません。
なので今から使うよーという意味で、使い始めの駅名(または番号)、日付、時間などを刻印します。
写真中央はバスの車内で買った切符。買った時のバス停の番号と時間が既に印刷されています。ということでこちらは打刻不要。
一番右はDBの赤い券売機で買ったチケット。購入時に「mit Entwertung(打刻有)」を選んで買ったので、有効日が入っており、打刻機に通す必要はありません。DBの券売機では「Ohne Entwertung(打刻無し)」も選ぶことができ、その場合は乗る前に打刻します。
コントロール(切符のチェック)
電車に乗り降りする時に切符をチェックされることはありませんが、時々車内での抜き打ちチェックがあります。制服を着ている人もいれば私服の時もあります。
私服の人のコントロールは何度か遭遇しましたが、普通にU-bahnに乗っていて、ドアが閉まって発車した瞬間に「Fahrschein bitte(切符をみせてください)」と急に始まったりします。
ミュンヘン交通のポイント
MVVのサイトを活用しよう!
MVVのサイトでは乗換検索の他、時刻表や路線図などもダウンロードできたりします。
下記にてMVVサイトの便利なところを紹介しています。
→【ミュンヘン交通】MVVのサイトを活用しよう!
→【ミュンヘン交通】MVVのサイトで乗換案内検索をする方法
Marienplatz駅のインフォメーションを活用しよう!
他の駅にもあるかもしれませんが、マリエンプラッツ駅のインフォメーション(地下にあります)は大きくて、路線図や時刻表、ミュンヘン交通の案内について書かれている冊子などが置いてあります。
慣れない海外で電車やバスに乗るのは難しく感じてしまいますが、ミュンヘンの市内交通のシステムは比較的シンプルなので事前準備があればスムーズに切符も買えて乗車することができると思います。
電車やバスを使いこなしてミュンヘン観光を楽しんでください!
その他、ミュンヘン交通情報
- 電車・バス・トラムのチケットの種類
- ミュンヘンの切符を紹介しています。
- 電車・バス・トラムのチケットの買い方
- ミュンヘンにある券売機の種類と使い方について紹介しています。
- 電車・バス・トラムの乗り方
- ミュンヘンの電車やバスの乗る時の流れや注意点、チケットの打刻について紹介しています。
- バイエルンチケットの券売機での購入方法
- バイエルン州の普通列車が1日乗り放題になるお得なチケット。券売機での買い方について紹介しています。
- ドイツの車内マナーや風習などについての考察
- ドイツの交通機関を利用していて、日本と違うと思った点など私個人の感想を書いています。